急に焼杉工場の人手が足りなくなって、半日ばかり工場の手伝いをしてきました。
焼く工程のうち、板を入れる単純な作業ですが、板を機械のどの部分に載せるかで板の裏側に火が回るのを調整できます。載せるタイミングで焼く量に差が出ます。板の一枚一枚を見ることで杉という木の色、重さ、硬さ、杢目等をよく観察できます。板を移動する作業の中でも力を使うところ、楽なところがあります。工場の中の他のみんなの動きも細かく見えます。工場そのものの動線もよく見えます。単純な作業の中にも割といろんなことの発見があります。
なにより、単純な作業でも丁寧に繰り返すことをやってると、自然に体は動き始めます。顕在意識で仕事をしなくなると、丁寧に仕事をしてても頭は別のことを考え始めます。工場のこと、商品のこと、家族のこと、友人のこと、若い頃のこと、社員さんのこと、自分のこと…スポーツハイって言葉がありますが、作業ハイとでも言うような状態。
僕は若い頃は設備も悪く、体力も使いながら工場作業をしていましたが、その時も同様にハイになって、いろんなことを考えていました。一定の時間をこうやって汗を流しながら作業をして過ごすのは、体力的にも、脳にもいい影響がある気がしました。今後は積極的に工場の手伝いに行こうと思います。
西下健治